ホーム お知らせ ■FSMS News2025-3■『ノロウイルス』 ■FSMS News2025-3■『ノロウイルス』 2025/12/16 ■ FSMS News 2025-3■ーーーーーーーーーーーーーーー2025年12月16日■ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ テーマ:「ノロウイルス」 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ こんにちは。 ISO審査登録センター食品安全審査室メルマガ担当です。 12月に入り、食品業界は年末の繁忙期を迎えています。 この時期、最も警戒しなければならないのが「ノロウイルス」です。 皆様と組織を守るための対策を改めて整理しましたので、現場での朝礼や周知 にもぜひご活用ください! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ① 今期の発生状況と傾向 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 冬はウイルスが元気になるのに、人間側は油断したくなる…という妙な季節 ですね。 例年、11月頃からノロウイルスの検出数が増加し、12月から1月にかけて流行 のピークを迎えます。特に今冬は空気が乾燥しており、ウイルスが飛散しや すい環境が整っています。「去年は大丈夫だったから」という油断は禁物です。 市中感染のリスクが高まっている今こそ、「工場・店舗にウイルスを持ち込ま ない」ための水際対策を強化する必要があります。 〈データ〉 ・今年(2025年冬に向けて)、例年の流行時期である11月〜2月にかけて、 患者数の増加が「例年より早いペース」で報告されています。 ・厚生労働省(及び関連統計)によれば、2024年の食中毒全体で、ノロウイル スは cause-agent別で最も患者数が多く、8,656人(全体の約60.8%)を 占めています。 ・事件数としても、2024年はノロウイルスによる食中毒が276件で、全体の 約26.6%を占め、近年で件数・患者数ともに突出した年となりました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ② 敵を知る:ノロウイルスとは? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ノロウイルスには、他の食中毒菌とは異なる「厄介な特徴」があります。 ◆感染力が非常に強い わずか10個~100個程度のウイルスが体内に入るだけで感染・発症します。 (他の菌は数万~数百万個必要なことが多い)。 ◆アルコールに強い 一般的な消毒用アルコールでは死滅しないことが多く、過信は危険です。 ◆寒さと乾燥に強い 冬場の環境下では、長期間(数週間ほど)生存し続けます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ③ 最強の予防法は「物理的な排除」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 特効薬がない今、私たちができる最も確実な予防策は以下の2点です。 ◇徹底的な手洗い(物理的排除) アルコールが効きにくいため、石けんでの「洗い流し」が最重要です。 ◎【推奨手順】 石けんで30秒以上もみ洗い → 流水ですすぐ → これを「2回」繰り返す(2度洗い)。 指先、爪の間、親指の付け根は洗い残しが多い箇所です。特に意識してください。 ◇十分な加熱 二枚貝などを調理・喫煙する際は、中心部まで85℃~90℃で90秒以上 加熱することでウイルスは失活します。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ④ 現場で特に「気をつけるべきこと」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー FSMSの視点から、見落としがちなリスク(盲点)を指摘します。 ●「症状がない=安全」ではない(不顕性感染) 感染していても、下痢や嘔吐の症状が出ない「不顕性感染(ふけんせいかんせん)」 の人がいます。 「元気だから手洗いは簡単でいい」は大きな間違いです。 「自分はウイルスを持っているかもしれない」という意識で、全員が徹底した手洗い を行う必要があります。 ●家族の健康状態も報告を 同居のご家族に胃腸炎症状がある場合、ご本人に症状がなくてもウイルスを現場に 持ち込むリスクが高まります。 ・家族の体調不良時も速やかに管理者に報告するルールを徹底してください。 ・嘔吐物の処理は「広げない」ことが全て 万が一、現場で嘔吐があった場合、適切に処理しないとウイルスを含んだ 飛沫が舞い上がり、施設全体が汚染されます。 処理キットの場所は把握していますか? 処理担当者は決まっていますか? 今一度ご確認ください。 食品事故の多くは、多忙な時期の「ほんの少しの油断」から発生します。 正しい知識と基本動作の徹底で、安全・安心な年末年始を迎えましょう。 次回もお楽しみに! 一覧へ戻る 次へ